東洋医学の考え方


東洋医学は、西洋医学のように体を部位毎に分けて治療をしていくのではなく、体全体を総合的に捉え、治していこうという考え方に基づいています。


病気とはー


病気とは、主に、五つの内臓 (肝臓・心臓・消化器・肺・腎臓)が悪くなっていることを言います。

 

従って、一般に病気として捉えられている、風邪、頭痛、花粉症などすべての異常は、実は、体からの“毒出し”としてあらわれているもので、これは症状のことです。


東洋医学から見た五臓の関係


内臓は、肝臓・心臓・肺・腎臓・胃(消化器)の五臓を言い、五臓それぞれ、助け合ったり、対抗しあったりしていると考えられています。

① 青い矢印 ➡ 親が子を助けるような関係です。

例えば、肝臓から見ると、親は腎臓にあたり、子どもは心臓にあたります。

心臓が疲れてきた時、肝臓はその疲れ(毒)を引き受けます。

また、肝臓の働きが悪くなってきた時は、親にあたる腎臓が毒を引き受け、助けてくれます。

② 赤い矢印 ➡ 敵対している関係です。

例えば、食べ過ぎなどで胃や脾臓(ひぞう)が疲れてくると、敵対している腎臓に疲労物質(毒)などを押しつけます。

押し付けられた腎臓は、この毒を対抗している心臓に押し付けます。

 

 

 *図のように毒は、内臓の間をぐるぐる巡りますが、実際は、人によって内臓の力関係は違いますので、いろいろな体験を通して、自分の体の状態を知っておくと良いと思います。

 


五臓の時間


内臓には、一日(二十四時間)の中で、それぞれ活発になる時間があります。

これは、それぞれの内臓の毒出しの時間です。

 

例えば、肝臓、胆のうは、夜中(23時~翌日の3時頃)に活動が盛んになりますので、この臓器が疲れていたりすると、この毒出しのため、眠れなくなることがよくあります。

だいたい、この時間を過ぎる(午前3時ごろ)と眠れますので、あまり不眠を気にしないようにしてください。


五臓の季節


東洋医学では、五臓それぞれの働きは、季節ごとに変わると考えられています。

つまり、季節の移り替わりに合わせて、活発になる内臓も変わっていくということです。

活発になったそれぞれの内臓は、季節ごとに溜まっている毒を出していきます。

 

春  ➡ 肝臓・胆のう

夏  ➡ 心臓・小腸

秋  ➡ 肺・大腸・皮膚

冬  ➡ 腎臓・膀胱(ぼうこう)

土用 ➡ 消化器(各季節の変わり目・年4回)

* 土用は、立春・立夏・立秋・立冬の前、18日間がこれにあたります。 


その他の毒出しについて