身土不二(しんどふじ)とは


「身土不二」とは、自分の住んでいる土地(地域)でとれたものを食べることが健康のためには、最も良いという考え方です。

 

この場合、野菜であれば青空の下で露地(土)栽培された食べ物のことです。

では、なぜ地元でとれた食物は体に良いのでしょうか?

夏になれば、私達は毎日「暑い!暑い!」と言って、汗をかきながら過ごします。

同じ頃、畑ではキュウリやナス、トマト、ピーマンなどが育っています。

もし、私達がキュウリやナスのように一日中、炎天下にいたら当然、命まで危険になってきますが、野菜たちはこれをものともせず元気に成長を続けています。

夏の野菜は、地面から水分や養分を吸収しながら、太陽からの熱気はどんどん外に逃して(冷やして)いるから炎天下でも大丈夫なのです。

私達がスイカを食べてスーっと体が涼しくなるのも、この冷やす性質によるものです。

ですから、夏野菜を生でばかり食べると体が冷えすぎてしまいます。

加熱すれば、この性質が緩和され、適度に体の熱気も逃がしてくれますので、夏を上手く乗り越えることができます。

スイカなどは加熱できませんので、食べる量は少しずつにしてください。

また、生野菜を漬物(ぬか漬けなど)にすると、塩や酵母菌の働きなどで冷えが緩和され、ビタミンなども増えます。

また、反対に冬の場合は、雪が舞う寒い時でも大根や白菜、ねぎなどは、凍って枯れることなく元気に育っています。

冬の野菜は、熱を逃がさないように表面の皮が厚く、細胞もギュッと締まっていますので、私達が食べた場合は体を温めてくれます。

いつも私達が過ごしている季節と同じ時に育っている野菜を食べることは、食品成分表に載っている栄養素(ビタミン、カルシウム、鉄分など)だけではなく、それぞれの季節を元気に生きている野菜の生命力も一緒にいただくということです。

地元でとれた食材を食べていれば、体は季節毎で変わる自然環境にも順応していってくれます。これが「身土不二」という考え方です