絹はご存知の通り、“繭(まゆ)”から出来ています。
繭は“蚕かいこ”が自分で作った寝袋のようなもので、このなかで“蚕”は“蛾が”になって飛び出すまで、眠りながら成長し続けます。
そのため、繭は非常に優れた働きをしています。
冬は冷気を、夏は熱気を遮断して中の蚕を守りますし、また、蚕が呼吸して出した毒素や湿気などはそのまま排出しますが、外からの毒素は中に入れないようにしています。
このようなことから、絹は生きた繊維と呼ばれています。
私達が絹を身につけた場合でも、同様の効果があります。
それをよく表す例として、真綿ふとんの場合があります。
真綿ふとんは、夏涼しく、冬温かいということだけでなく、私達が寝ている間に体から出る毒素の排出を助けてくれますので、実際に使ってみると早く疲れなどが取れるのがわかります。
もちろん、真綿は呼吸していますので、吸収した毒素は外に発散してしまうため残ることはありません。
しかし、時には、ふとんが臭くなるほど体から毒素が出ることもあります。これには誰もが驚くことですが、それほど絹の果たす効果は大きいのです。