脳卒中からの冷えとり スタート4年間の記録


私が脳梗塞で倒れてから6年経ちました。現在、64歳の男性です。

親・兄・弟姉妹の8人家族で、脳卒中になったのが6名、その内、亡くなったのが4名です。

このような血統なので、体には注意を払ってきたつもりでしたが、半身不随の身となってしまいました。

医者が「もっと早く私のところに来ていれば、遺伝子治療をやってあげられた」と話していました。

「どんな優れた治療も時すでに遅しだよな」と不自由になってから2年間、私はそう思い続けていたのです。

脳梗塞になった頃の血圧は、投薬治療の甲斐あってか、とても安定していました。

しかし、どうしたことか2年過ぎた頃から、私は毎朝毎晩、最大値200を超えるようなひどい血圧に悩むようになってしまったのです。

新しい薬も効くこともありましたが、それさえ短期間しか効き目が続かないのです。

 

そのような時、新聞広告で「薬を飲まずに高血圧を治す」という本を知り、取り寄せて読みました。

高圧剤の種類と特徴が書かれている中に私が服用している薬も全部ありました。

A薬の項で、目が止まりました。思わず、かたわらの妻に云いました。

今飲んでいるA錠薬は、もともとアメリカ人向けの薬だってさ。日本人の中でも小さい方の俺が飲んでも大丈夫なんだろうか?」

これが大きな疑問となって、私は別の開業医に行き尋ねてみたところ、その医者は私の疑問を理解し「西洋人サイズの薬を、日に2度でもきついのに、3度も飲ませるとはね。すぐにやめなさい」と言われ、その代わりの薬を処方してもらいました。

 

そんな状態のある日、「医者知らず『冷えとり』で完全健康人生」という本を妻から手渡されました。

「冷えとり」の本を一通り読み、私はこれまでの知識、経験にはない文言に出会いました。

「脳細胞は再生する」、「万病を治す」そして、「高血圧は病気ではない」という先生のお考えでした。

私の常識全集にはないものでしたね。

私は脳梗塞になるまで、これといった病気を経験していません。

それでも、用心して45歳で喫煙習慣を断ち、50歳を過ぎる頃から血圧が「要注意」になったので、お酒の付き合いもほどほどにと思っていたのですが、酒宴の席は断れず、ついつい酒に溺れる自分本位の生活でした。

 

この病気になって2年後、「冷えとり健康法」の本を読んでからというもの、私の健康に対する考えと生活習慣は一変してしまいました。

「生活の間違いを正せば、やがて『冷え』も取れ、自然に体が治癒する」という原則を素直に理解し、実際にも体験して納得しました。

六臓の親子・敵対関係についても「冷えとり」前であれば笑って読み流したであろうと思うのですが、その関係も実感することができました。

「内臓を正常にすることであらゆる病気が治る」。これは私にとっての福音でした。

 

靴下を5枚履く、半身浴を1.5時間から2時間、食事制限(一日2食、食材の吟味)も積極的にやり、ひと月程度で軌道に乗りました。半身麻痺ですから最初は入浴も靴下の着用も大変でした。

夜間は靴下を履いたまま、湯たんぽも使うお陰で悪かった寝付きもすっかり良くなりました。夜中に起きてトイレに向かう時、硬直気味だった膝関節・脚の筋肉が軟体化していることにびっくりしたものです。

毒出しの痛みは、「冷えとり」開始三日目の就寝中から始まりました。

アキレス腱で2日、次に足の親指で2週間激痛が走ったのです。「痛風に罹るとこんな痛みなんだろうな」と23時間、我慢する毎夜でした。

余談ですが、足の親指の爪はピンク色から黒味を帯びた色に変化し、やがて成長が止まると生え際から別の爪が生えてきました。この両親指の爪が生え変わるまで2年ほど掛かりましたね。

「冷えとり」2か月目から腰痛と背中の痛みが始まりました。これらの痛みは特に強烈でした。

早く治まって欲しいと祈る思いに反して、半年間、毎日毎夜続いたのです。

腰痛は、腎臓から骨盤までのあたりを痛みの質を変えて襲ってきました。

背中の痛みは、ちょうど脊椎に沿って走りましたが、まるで大動脈が今にも裂けるのではないかという恐怖を伴うものでした。

この他にも、毒出しの症状を体験しました。

耳鳴り、頭痛、眼通、口内炎、歯槽膿漏、不整脈、拡張性心筋症、胃痛、両足の湿疹、関節痛、尿管・尿道の痛みなど、全身を隈なく巡りました。

そのような体験の最中、「冷えとり」の本の苦痛にかかわるページを何度も何度も読み返しました。

寝床の中でも、半身浴の最中でも、右手一本で持って読んでいたので本はすっかり汚れボロボロになりました。

良い経験をさせていただきました。

どんなに強烈な痛みでも、2週間で治まります。背筋と腰の痛みは半年間でしたが、これは内臓の毒がそれ相応に溜まっていたからだと思っています。

私の場合、50年間、溜め続けた毒の大掃除でした。

毒出しの苦痛(波状攻撃)に、再発や死ぬことの不安が、時々脳裏をよぎりました。

そんな時は、「これもお天道様が与えた修行の場」と思い頑張りました。

「冷えとり」12年の間のこれら一連の苦痛は、未経験の激しいものでしたが、「命を救われた」という感銘も強く、その後、継続する痛みは以前ほど不安がなくなり、毒出しを素直に喜んで受け入れております。

この健康法を始めて半年後、服用していた薬剤をすべて止めました。

降圧剤そのものが、逆に血圧を高めるという体験が後押ししてくれたからです。

その後もうなじに重いしこりのような感覚や両脚に鉛を巻いたような感覚、上半身の骨肉の変調も続いています。

 

これらは過去にやった交通事故の後遺症か半身麻痺の後遺症なのかわかりませんが、自然治癒力の成り行きに任せている状態です。

また、最近では、前にはなかった少々の食べ過ぎでも胸痛が始まったりします。

以前はこんな症状の時、必ずと言っていいほど高血圧だったのですが、思ったほどには数値が上がっていません。

段々と自分を苦しめてきた「冷え(高血圧)」の正体が明らかになってくるように思えて別の楽しみが出てきました。

精神的にずいぶん余裕を持てるようになり、連日なにがしかの症状は相変わらずですが、生活行動力は格段に向上しました。

お陰で、散歩もその他の家事も麻痺した半身を創意工夫して使い、大概のことを独力でこなしていけるようになりました。

2005年 体験集より